2019.9.25筆算はなぜ定規を使うのか【花まる先生の算数講座】

最近の話題として筆算のときの定規の使用についてとりあげられているようですので,算数のプロの花まる先生がそれらの理由と必要性を説明します。

英宏小学校では,小数のわり算で十進位取り記数法の筆算を学び終えて完全習得できる4年生までは,筆算は定規を使って線を引く指導を徹底します。

計算を完全に習得した5,6年生の児童には,定規を使うと時間ロスになるためフリーハンドで速く計算できるようにさせます。

まず,このように必要性と,不都合の両面があることを理解しておかないとなりません。

最近の話題として筆算のときの定規の使用についてとりあげられているようですので,算数のプロの花まる先生がそれらの理由と必要性を説明します。英宏小学校では,小数のわり算で十進位取り記数法の筆算を学び終えて完全習得できる4年生までは,筆算は定規を使って線を引く指導を徹底します。計算を完全に習得した5,6年生の児童には,定規を使うと時間ロスになるためフリーハンドで速く計算できるようにさせます。まず,このように必要性と,不都合の両面があることを理解しておかないとなりません。

なぜ,初期の指導では定規を使ってわずらわしく線をひくことが必要なのでしょう?

①位をはっきりさせるため
 加減乗除のすべての計算は十進位取り記数法を用いて計算します。位の場所がわかりずらいためにずれてしまっては,正しい計算をすることはできません。筆算につまずきが見られる児童は,位がずれてしまっていることが原因となっていることが多いのです。
 位をはっきりさせるためには,ノートのマス目に沿った,整った線をひく必要となります。ですから,定規を使ってしっかりとした線を引く必要があります。

なぜ,初期の指導では定規を使ってわずらわしく線をひくことが必要なのでしょう?①位をはっきりさせるため 加減乗除のすべての計算は十進位取り記数法を用いて計算します。位の場所がわかりずらいためにずれてしまっては,正しい計算をすることはできません。筆算につまずきが見られる児童は,位がずれてしまっていることが原因となっていることが多いのです。 位をはっきりさせるためには,ノートのマス目に沿った,整った線をひく必要となります。ですから,定規を使ってしっかりとした線を引く必要があります。

②計算ミスを防ぐため
 マス目に沿った直線は,数字を引き立てて目立ちやすくさせます。一方,マス目を意識しない,歪んだ線を引いていては,計算する際に数がはっきりしないため,計算ミスが増えます。低学年はなおさらフリーハンドでまっすぐな線を引くことができません。ですから,定規を使った線を引く必要があるのです。

③計算を完全習得したら定規は使わない。
 線を引いて筆算をするのは,5年生教科書の小数のわり算までです。その後の計算は,分数の加減乗除を学びます。
 小数のわり算が終わって,線を引く筆算を完全習得したら,もう定規を使う必要はありません。マス目も使う必要はありません。どのような紙であっても,スペースであっても,速やかに答えを出すことが目標となるからです。

 線をつかった筆算の完全習得が定規を使う使わないの切り替えのポイントという結論になります。

わたしは筆算の線の必要性を考えさせるために,世界の筆算に挑戦する授業をします。インドやオランダでは線を引かないでわり算をします。
<インドの17÷3>
3)17(5
  15
   2
<オランダの17÷3>
3/17/5
  15
   2

「どの国の計算がいいですか?」
子どもたちからは,いろいろな意見がでます。
「線をひかないインドやオランダがいい。」
他国との計算の比較をすると,線を引く煩わしさや線を引くよさを子どもたちはあらためてふれることができます。
そこから討論させるのも,おもしろい授業となります。

なぜ?どうして?を理解させること。そして,体感させること。
意味もわからずに子どもに強制するのではなく,線を引く意味をきちんと理解させる,そして,他国との比較などから線を引く,引かないなどの議論をさせながら,母国の筆算に愛着を持って楽しく取り組ませることが大切なことではないでしょうか。

 世界の計算や数学史を取り入れた授業は,英宏小のチャレンジ算数や授業のトピックで実践しています。

               文章 本校教頭 花まる先生

なぜ?どうして?を理解させること。そして,体感させること。意味もわからずに子どもに強制するのではなく,線を引く意味をきちんと理解させる,そして,他国との比較などから線を引く,引かないなどの議論をさせながら,母国の筆算に愛着を持って楽しく取り組ませることが大切なことではないでしょうか。 世界の計算や数学史を取り入れた授業は,英宏小のチャレンジ算数や授業のトピックで実践しています。               文章 本校教頭 花まる先生