2015.12.22ありがとうの短歌

 短歌は「叙情詩」といわれています。「叙情詩」とは人の感情を表現した詩のことです。古来、人々は様々な想いを短歌を通して表現してきました。

 短歌は「叙情詩」といわれています。「叙情詩」とは人の感情を表現した詩のことです。古来、人々は様々な想いを短歌を通して表現してきました。

 想いを表現するというと簡単なようですが、実はとても難しいことです。たとえば、「感謝」の気持ちは身近な間柄であればあるほど「照れ」のために伝えにくくなりがちです。しかし、短歌という「定型詩」を通すと、驚くほど素直に気持ちを表現することが可能です。今回は英宏小生の作った「ありがとうの短歌」を紹介したいと思います。

 想いを表現するというと簡単なようですが、実はとても難しいことです。たとえば、「感謝」の気持ちは身近な間柄であればあるほど「照れ」のために伝えにくくなりがちです。しかし、短歌という「定型詩」を通すと、驚くほど素直に気持ちを表現することが可能です。今回は英宏小生の作った「ありがとうの短歌」を紹介したいと思います。

★家族はね いつも笑顔に してくれる ありがとうとね 伝えたいんだ

 この一首は男子児童の作品。いつも元気いっぱいの彼のエネルギーの源は家族なのでしょう。「ありがとうとね 伝えたいんだ」の下の句からわかるのは、伝えたくても伝えられないというもどかしさです。彼は短歌を通して、そのもどかしさを克服したわけです。

★家族はね いつも笑顔に してくれる ありがとうとね 伝えたいんだ この一首は男子児童の作品。いつも元気いっぱいの彼のエネルギーの源は家族なのでしょう。「ありがとうとね 伝えたいんだ」の下の句からわかるのは、伝えたくても伝えられないというもどかしさです。彼は短歌を通して、そのもどかしさを克服したわけです。

★家族がね 愛情ずっと そそいでた 次は私が そそぎましょうか

 ある女子児童の作品。一人っ子の彼女は自分にそそがれている「愛情」をしっかりと感じとっています。それは、「家族」への「愛」にも繋がっていくわけです。また、彼女はその想いを言語化し、詩として表現することに成功しています。結句の「そそぎましょうか」の呼びかけは国語学習を通して身につけたものでしょう。

★家族がね 愛情ずっと そそいでた 次は私が そそぎましょうか ある女子児童の作品。一人っ子の彼女は自分にそそがれている「愛情」をしっかりと感じとっています。それは、「家族」への「愛」にも繋がっていくわけです。また、彼女はその想いを言語化し、詩として表現することに成功しています。結句の「そそぎましょうか」の呼びかけは国語学習を通して身につけたものでしょう。

★ありがとう お父さんはね 働くよ だから私は 幸せなんだ

 お父さんの働いている姿を実際に見ている子どもはどのくらいいるのでしょうか。子どもたちに聞いてみても、ごく少数派のようです。しかし、子どもたちはお父さんが働いていることをきちんと認識しています。この一首の注目すべき点は下の句の「だから私は 幸せなんだ」です。「だから」という接続詞が光っています。また、「幸せ」の一語もとても力強いものとなっています。

★ありがとう お父さんはね 働くよ だから私は 幸せなんだ お父さんの働いている姿を実際に見ている子どもはどのくらいいるのでしょうか。子どもたちに聞いてみても、ごく少数派のようです。しかし、子どもたちはお父さんが働いていることをきちんと認識しています。この一首の注目すべき点は下の句の「だから私は 幸せなんだ」です。「だから」という接続詞が光っています。また、「幸せ」の一語もとても力強いものとなっています。

★ お母さん おいしいごはん ありがとう 食べていつもね 元気いっぱい

 お母さんへの感謝の気持ちを詠んだ一首。やはり、「食」にまつわる想いは大きいようです。この子はどんなメニューが好きなのでしょうか。「カレーライス」「ハンバーグ」「グラタン」…。色々なものが想像できますね。短歌の批評用語でいえば、「読み」の広がる一首です。具体的なメニュー名がわからないところが、この作品の魅力を高めています。

★ お母さん おいしいごはん ありがとう 食べていつもね 元気いっぱい お母さんへの感謝の気持ちを詠んだ一首。やはり、「食」にまつわる想いは大きいようです。この子はどんなメニューが好きなのでしょうか。「カレーライス」「ハンバーグ」「グラタン」…。色々なものが想像できますね。短歌の批評用語でいえば、「読み」の広がる一首です。具体的なメニュー名がわからないところが、この作品の魅力を高めています。

★弟と いつも遊んで 落ちつくな 本を読むより 楽しい気持ち
★ありがとう いつも遊んで くれたよね 私の兄は とてもやさしい

 兄弟・姉妹関係を詠んだ作品。似た表現の2首ですが、細部を見ると表現技術の確かさが光っています。「本を読むより楽しい気持ち」というこまやかな気持ちの表現。「ありがとう いつも遊んで くれたよね」は「いつも遊んでくれてありがとう」の倒置表現となっています。こんなところにも学習の成果がはっきりとあらわれています。

★弟と いつも遊んで 落ちつくな 本を読むより 楽しい気持ち★ありがとう いつも遊んで くれたよね 私の兄は とてもやさしい 兄弟・姉妹関係を詠んだ作品。似た表現の2首ですが、細部を見ると表現技術の確かさが光っています。「本を読むより楽しい気持ち」というこまやかな気持ちの表現。「ありがとう いつも遊んで くれたよね」は「いつも遊んでくれてありがとう」の倒置表現となっています。こんなところにも学習の成果がはっきりとあらわれています。

★先生は すごくかしこい 先生だ スパイみたいだ なってみたいな
★先生は 遊んでくれる ありがとう 楽しくなるよ ますます面白い

 子どもたちにとって家族以外の身近な大人は「先生」です。子どもたちから見たら「先生」は何でもできる「スパイ」のように見えるのかもしれません。また、「遊んでくれるありがとう」のフレーズからは子どもたちが何を人間関係で大切に感じているかを読み取ることもできます。

★先生は すごくかしこい 先生だ スパイみたいだ なってみたいな★先生は 遊んでくれる ありがとう 楽しくなるよ ますます面白い 子どもたちにとって家族以外の身近な大人は「先生」です。子どもたちから見たら「先生」は何でもできる「スパイ」のように見えるのかもしれません。また、「遊んでくれるありがとう」のフレーズからは子どもたちが何を人間関係で大切に感じているかを読み取ることもできます。

★星たちは 夜の疲れの マッサージ いやされながら 眠りに落ちる
★本にはね まほうの力 ないけれど 本のおかげで 落ち着くんだよ

 子どもたちの「ありがとう」の気持ちは人間以外にも広がります。天の星々、本、その他にもマスクやえんぴつ、ゲームやボールなど様々なものに「ありがとう」の気持ちを詠んだ作品が見られました。

★星たちは 夜の疲れの マッサージ いやされながら 眠りに落ちる★本にはね まほうの力 ないけれど 本のおかげで 落ち着くんだよ 子どもたちの「ありがとう」の気持ちは人間以外にも広がります。天の星々、本、その他にもマスクやえんぴつ、ゲームやボールなど様々なものに「ありがとう」の気持ちを詠んだ作品が見られました。

 子どもたちの短歌を読んでいると様々な発見があります。子どもたちの短歌作品の一部は1月16日(土)の文化発表会でも展示いたします。短歌を通して、子どもたちの心の一端をのぞいていただければと思います。

【執筆】 水戸英宏小学校 教頭 田中拓也